(構成)
1 問題文紹介とシンキングタイム
2 略称と予想
3 私の解き方
4 まとめ
1(問題)帝塚山高校
加盟国すべてがAPECに加盟している組織を、次のア~エから選び記号で答えよ。
thinking…
2 略称と予想
これはね、ある参考書で「難」指定されていますけど、後出しじゃんけんで見ている私たちにとっては正直言ってそんなに難しくないと思います。
根拠をもってドシっとした知識力を問うと考えればもちろん複雑ですが、
ニュアンスやクイズ慣れというか、ちょっとしたカンがあれば意外ととっかかりがあるように思います。(繰り返しますが、後出しじゃんけん側の目線としてね)
略称って、意外と予想がつくんです。
中学生ならこれを習うのは3年生の後半ごろですので
おそらく英語のニュアンスも理解できると思います。
本当に初歩のスキルとして、
このあたりは、完全じゃないですが目安になる法則性です。
W…world =世界
UN…united nations =国連
I…international = 国際
末尾O…organization =機関
とかね。
そうすると、
WTOは世界「T」機関 (ちなみにtrade)
なので世界貿易機関
WHOは世界「H」機関 (ちなみにhealth)
なので世界保健機関
ILOは国際「L」機関 (ちなみにlabour)
なので国際労働機関
これだけ知ってるだけでも、意外と記号問題で選択肢を削れたりしますよね。
同じように、地域性を限定することもできます。
EU…europe union ヨーロッパ
AU… africa union アフリカ
ASEAN… SEA = south east asia 東南アジア
という感じですね。
ぜーんぶ丸暗記するぐらいだったら、こういうのを引き出しで持っておいて、
こぼれた部分を暗記した方が効率がいいかもしれませんね。
3 私の解き方
先ほど私が、この問題は意外と「難」指定されても解けるんじゃないかといった理由は2で説明した通りです。
意外と予想がつくんじゃないかなと思うんですね。
ただ、簡単に最低限覚えているだけではもちろんたどり着けないので、
そこは少しづつたどっていこうと思います。
まず、APECって?
これは
A=asia
P=pacific
なので、アジア太平洋
の略称です。
極端な話、この問題ではここまで暗記できていれば十分。
「経済協力」=economic cooperation
まで知らなくてもいいんです。
アジアと太平洋と考えれば大丈夫。
地図を思い浮かべると、
ほとんど似たようなニュアンスで、
TPPの「環太平洋」
※ちなみにtrans-pacificです
が近いんじゃないかと思います。
で、帝塚山も結構な難関ですから、
おそらくAPECがどこら辺の地域を指しているかわからない生徒は少ないハズ。
歴史の苦手な生徒がいち早くこの問題を捨てているのなら別として、
本来なら知ってないといけないです。
そこからは2つのアプローチがあって、
という目線ですよね。
NATOは西洋の国(NA=north atrantic 北大西洋)がたくさん、OPECは中東の国がたくさん入っているから、その国が
「すべて」APECに加盟しているとは考えにくい。
という考え方。
これは適切至極な考え方だと思います。
実際その通りで、この2つは違う。
で、ここで一番ひっかけになりうるのが圧倒的に
なんですよね。
ん?ASEANって東南アジアだよね。
だいたい太平洋側だけど、
「すべて」って言われると…
という迷いが生じます。
おそらく受験生の皆様も、まずはASEANで該当する国を検討しようとすると思うんですね。
そこをもう一歩、早めに考えを変えて、もう一つの選択を検討できるか。そしてその選択肢についてしっかり理解しているかがカギなんですね。
最後の選択肢
とは、かの有名な
FTA…自由関税協定に、
N…north
A…amerika
がついてきているだけ。
なので、
「北米」自由関税協定なんですね。
そこで「あーなるほど」
と、なった人はあとはカンタン。
「北米」
なんて、アメリカとカナダぐらいしかないもんな。
って考えられるともう答えが見えてきますよね(本当はメキシコも加盟してますが)
その参加国は文句なしに「太平洋(pacific)」に面しています。
しかも3つだけ。
それなら、不確実なミャンマーやラオスの可能性を追っかけるより、いっちょNAFTAにしておくか!
という英断ができた人が、
今回の正解を導き出せるというわけです。
答え ア
3 まとめ
私は初めにこの問題を「そう難しくない」と言い放ちましたが、
この記事を読んでいる人が、心に余裕をもって、展開を追いながら分析する分には、確かに難しくないと思うんです。
ごく一般的なひっかけ方だしね。
けれど、自分の人生がかかっている受験の本番に、弱冠15歳の若人たちが挑んでいく中で、
この問題の裏を見ながら適切な答えを導き出す。
その作業そのものは「難問」以外の何物でもないと私は思います。
(さっきと180度違うこと言ってますが笑)
この問題を、入試当日に予想して答えて、
解答速報で合っていたのならば、
その15歳は最大級の賛辞を受けるべきではないでしょうか。
そういう心強い、尊敬できる15歳がたくさんの名門校の門をたたいていく。
その現場に、塵ほどでもいいから関わってみたいというのが、
私のこのブログや参考書を作ってみたいという意欲の源泉でもあります。
今回は以上です。
ありがとうございました。