社会の参考書紹介ブログ  解き方×周辺視

高校入試社会を中心に、参考書の中身の解説をします。

令和6年度 神奈川県公立高校 問7の(エ)

問題

 

https://www.pref.kanagawa.jp/documents/107635/r6shakai_zen_mon.pdf

 

下のほうです

 

 

 

 

thinking…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈川県 出題の狙い

https://www.kanaloco.jp/sites/default/files/2024-02/43%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%87%BA%E9%A1%8C%E3%81%AE%E3%81%AD%E3%82%89%E3%81%84.pdf

 

 

なんだそうですが

 

それはともかくとして、

 

私は国際社会分野の出題が増えていることをうれしく思います。

 

 

 

 

 

国際社会分野は教科書の最後のほうで、とりわけ公立中学校ではかなり無残な取り扱われ方をされているようです。

 

歴史でやったでしょ?地理でやったでしょ?って。

 

※もちろん現場の教員の方々を批判したいわけではありません。ちなみに中学校の社会は他の4教科に比べて35~70時間授業時数が少ないはずです。そもそもの時間がなさすぎるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ただ、地理でも歴史でもやってないことは結構あって、

今回ご紹介するODAなんかについても、おそらくかなりあいまいにされたまま卒業されていく中学生が多いと思います。

 

 

そこを出題するあたりが憎い!

 

と、私は思っています(称賛しているつもりです)

 

 

 

 

 

おそらくODAに関しては、

 

日本は世界トップの援助額なんだぞ!

 

と教わった方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

 

 

最近ニュースでもなんでもそういった話題が触れられない(多分いろんなポリコレとかが重なってるけど)のはお察しの通り、

 

その情報は2000年ごろまでの話なのです。

 

日本の援助総額は2020年のデータでは4位です。

 

さらに言うと、日本は目標規準であるGNI比0.7%以上という水準を達成していません。(している国も少ないですが)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういった現状を批判したいのではなく、

 

そういった現状とこれまでの取組をちゃんと比較して、

 

現在の中学生に教えなきゃいけないと思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

だから、地理や歴史でやったでしょ?

 

では、もしかしたらそのあたりの知識を取りこぼしてしまうかもしれません。

(もちろん多くの学校や塾が何らかの形でカバーしていらっしゃいます。「取りこぼすかも」というところが私の憶測です。勝手なことを言ってすいません)

 

 

 

 

 

 

 

なので、神奈川県の「出題の狙い」にある

 

国際社会の諸課題に関する知識、技能をはかる

 

ための問題として

 

この問いは意欲的でいいなぁなんて、

 

私のような素人には思うわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ODA関係の問題でおさえておきたいのは、

 

OECDと、その出先機関みたいなDAGがやってるんだよ

 ※OECDは国連機関じゃないよ(正誤)

 

・「タイド」援助を知っておいたほうがいいよ

 →援助した結果として得られる利益が、援助した側にも返ってくる援助の仕方

  たとえば道路を作らせて、その道路にあわせて工業団地を建設したり

 

ODA大綱(2016~開発協力大綱)と、人間の安全保障の絡みが大切

 →人間の安全保障は、国ではなく一人の人間に焦点を当てて、貧困や感染症

  テロの脅威からの安全を保障することですね。

 ※アマルティア=セン 、 アジア人ノーベル経済学賞 ⇔国家安全保障

 

 

あたりでしょうか。

 

 

 

当該問題は資料をしっかり読めているかどうかですからそこまで求められていないにしろ、いつかODAをテーマにした記述問題がバシバシに出ることを期待しています。

(もう出てるんだろうか)

 

 

 

(解説)

X:南アジアがみそで、ここで含まれるのはインドとバングラデシュ。その2国でほぼ30%近いと考えられます。(ただし時間を見て計算はすること)。で、ほかの資料をみたらスリランカとかネパールとか、ほかの国にも援助をしていることがわかる。ってことは30%を超えるだろうとあてはつけられるわけですね。

※ちなみに2国だけでも30.5%なので、きっちり計算した生徒さんはやり方も結果も正解です。good!

 

Y:こういう周りくどい表現が中学生からしたら腹立ちますよね。しかし公立はこんなのが大好きです。資料2をみたら、資料4と「贈与」などの言葉が結びつきます。

 

Z:これは私の解説なので他がどう説明しているかわかりませんが、そんなことはどこにも書いていない。ってことでいいのかな?昔でいうセンター現代文のつまらない選択肢みたいですね。じゃあ議論にあげられるとしたら他にどんな資料がいるんだろう?

 

X:正

Y:誤

Z:誤

 

答 4

 

 

ありがとうございました。