※筆者注 ②はアメリカ ⑲は中国 ⑨はインドです
thinking…
(構成)
1 この形式の意義
2 解き方
1 この形式の意義
公立高校がこの手の問題を出しはじめて、もう何年になるでしょうか。
「足りない資料を探せ」
思考力が試される問題として一時期注目されました。
たまに公立のどこかで出題されていますが、出題方式として定着するところまではいかなかったようです。
正直、対策を立てるまでもない問題も多くありますし、
一方で思考力を使っているかといわれると説明が難しい。
別のきき方で同じ力を問うことができるのでしょう。
それはまぁたしかにそうです。
ただね、決して出題する意味のない問題ではないと思います。
この問題の大きなポイントは、
出題側の意図に、少しだけでも触れることができる
というところにあると思っています。
問題の意図を読み取るのは大変重要です。
時間短縮、正答率アップ、全てにおいて効果があります。
時間短縮に関しては、例えば東大王の井沢さんのようなマスターをみていれば十分に想像できますし、
なんでそんだけしか言われてないのに想像つくの!?
という場合のほとんどは、何を出す気かある程度わかっているから決め打ちができる
ところに起因しているわけですね。
例:この映像は何と関連が深いでしょうか?みたいな問題で京都の名称や寺院が出たらはじめに源氏物語を疑ってみるとか
欠点といえば、
意図の読み間違いが生じること
そして、
自分の解答を信じて疑わないスランプに陥ることです笑
これは経験したことのある人はわかると思いますが、なかなか重い病です笑
ただ、賢い中学生ほど陥ってからの立ち直りは早かった気がしますね。
ではこの問題の「意図」は何か?というと、
輸出量の話をしているのに、輸出量に直接かかわっている資料がない
↓
ここで、生徒さんの思考停止を誘っている
のではないでしょうかね。
2 解き方
どれもピンと来ないから、それっぽいのでいいや。
と生徒さんに思わせたら、出題者はしめしめですね。
本当はわかる人は一撃でわかるんです。この問題は。
けど、
この出題の形にすることで、一度全部の資料を見ますよね。
確認のためではなく、検討のために。
そこで
ん?
と、疑心暗鬼になってしまえば、
この問題の難易度(というかミス誘発度)はグンと上がるということなんです。
慣れている人ならすぐ気づきます。
生産量を示すグラフということは、自給率が100を超えた分は輸出に回すんだから、輸出量の多さを示す指標にはなるよね。ほかの選択肢はどうだろうって。
けど、最初にそこに行きつかない人は、どの選択肢も似たり寄ったりの根拠にしかならない。
なまじ賢い子ほど、
どれも根拠にならないからこれ答えないじゃん
なんてミスリードに陥るわけです。
この形式の問題の一番のポイントは、
必ず、答えになる資料で問題の核をとらえることができる。
と思い込むことです。
なぜなら、作成者がそう思ってい資料を選んでいるからです。
これに気づけば、
すべての社会科の問題は、
出題者が何かしらの意味を持って選択肢を作っているということがわかるはずです。
そして、それが例えば
100点阻止問題
だと思うのであれば、
それこそその問題に時間を使うのはナンセンスだと分かるようになるわけですね。
反対に、これに合う資料を選びなさい
では、
100点阻止問題は作らない可能性のほうが高いですね。
考えたらわかるように、出題者は作りたがっていますからね。
なので、とことん向かっても構わないし、過去問演習でその問題に出会ったなら、納得する考え方に出会うまで質問するべきではないかと思います。
もしこのブログを大人の方が読んでいるのであれば、
この手の問題には一緒に立ち向かって、
一緒に出題者の意図を探ることができれば、
中学生の力をつけるにはいいんじゃないかと思います。
答 1